たらおばさんのハーブよもやま話 Vol.3

よみがえるウイーンの春。
 
イースターが近づいてくると、寒くどんよりした空に覆われていたウイーンの街にもやわらかな春の陽射しがふりそそぎ、いままでコートの襟を立てていた人々の顔にも、少しずつ笑みが戻ってきます。
イースター祭というのは、皆さんもご存じのことと思いますが、キリストの復活を祝うもので、春分後(3月21日)の最初の満月後の日曜日が、復活祭にあたります。クリスマスのように日は決まっていませんが、だいたい3月下旬から4月下旬の間を移動している移動記念日です。(今年のイースターは3月27、28日です)
イースターの近くになると、街のところどころで「オースターマルクト」(イースターの市)が開かれ、買い物客で賑わいます。この市で特に人気があるのは、愛らしい絵が描かれているイースターの飾り用たまごです。お店の入り口でたまごを入れるケースをもらい。アレコレ迷いながらカラフルに並べられたたまごを眺めていると、時間のたつのも忘れてしまいます。
ウイーンでは、イースターの日曜日には、親戚や友人を招きます。このときは子供たちのために、昔からイースターのウサギが持ってきたかのように、庭の花壇や植え込みにたまごを隠しておく風習があります。
このときはチョコレートでできたたまごを多く見かけます。子供たちはヘンゼルとグレーテルのように、片手に小さな籠を持ち、庭でたまごを見つけるたびに歓声があがるのを眺めていると、童話の世界に引き込まれていくようです。私の友人も、かなり大きくなるまでウサギがたまごを持ってきてくれたと、信じていたと言っていました。
なぜウサギとたまごがイースターに関係あるのかと言いますと。春になるとウサギが牧草地をピヨンピヨン跳ねまわることで豊かな実りをもたらし、たまごはヒナがかえることから、生命の誕生を象徴する言い伝えがあるためと、いわれています。
さあ、この後はイースターの飾り付けがされた部屋に戻って、お茶にしましょう。イースターのお菓子というと、イーストを使ったツォブフ(三つ編みパン)や数種類のクッキー、シュトロイゼルククーヘンなどがテーブルを賑わせますが、今回のレシピはアプリコーゼンシュトロイゼルクーヘンです。これはバターケーキ生地の上にアンズを乗せ、その上にシュトロイゼルというクッキー状のクラムをかけて焼いたものです。
しっとりしたバターケーキ生地と、カリッとしたクラムのコンビネーションが楽しい焼き菓子です。
今回は、缶詰めのアンズを使いましたが、りんごやサクランボでもよく合いますので、お好きなフルーツをお使いください。見かけよりも口当りが軽く、ついついお代わりがしたくなるウイーンっ子が大好きなケーキです。ぜひ、お試しください。それでは皆さま。フローエ オースタン(イースターおめでとう)
アプリコーゼンシュトロイゼルクーヘン(アンズの焼き菓子)
 
材料
(A) シュトロイゼル(クラム)
無塩バター   50g
粉砂糖     50g
薄力粉     75g
シナモン、塩、バニラエッセンス、レモンの皮をすりおろしたもの、各少々

(B) バターケーキ生地
無塩バター(室温に戻す)100g 
粉砂糖     100g
全卵      2ヶ
薄力粉     100g   

(C) アンズのシロップ漬け(缶詰め)   140g(水気を切っておく)

 
(A)の作り方
ボールにあらかじめふるった薄力粉、粉砂糖を一緒にふるい入れ。そこにレモンの皮を摺りおろしたもの、バニラエッセンス、塩、シナモン、バターを加え、手でそぼろ状にして冷蔵庫で冷やしておく。
 
(B)の作り方
1: ボールにバターを入れ、ホイッパーでよく攪拌し、粉砂糖を数回に分けて入れ。白っぽくなるまでよく攪拌する。
2: (1)にレモンの皮を摺りおろしたもの、バニラ、塩を加えて混ぜよく攪拌する。
3: (2)にあらかじめ溶いておいた全卵を3〜4回に分けて加え混ぜ、よく攪拌する。
4: (3)にふるった薄力粉を加え、ゴムベラで切り混ぜるようにして、なめらかな生地を作る。
5: あらかじめ溶かしバターを塗って、粉をふるっておいたスポンジに、(4)の生地を平らにのばす。その上にアンズ(B)を並べ、最後に(A)のクラムをふりかけて170度のオーブンで40〜45分焼く。
焼きあがってある程度冷めてから粉砂糖をふる。
 
高山厚子のプロフィール
東京都出身

フェリス女学院大学音学科ピアノ科卒業後、ウイーン・コンセルヴァルトワールに留学。シュタートラー教授にピアノを師事。
ウイーンガストロノーミッシェ・インスティテュートにおいて、ヴォルフガング・カルプヘン氏にウイーン菓子を師事する。
スイス・バーゼルにおいてカール・シルマン氏にマジパン細工を師事する。
その他、デュッセルドルフ、コンディトライ カフェ・マウス
ハーゲン、カンデルン、カフェ・ラコステにおいて研修を積む。
日墺文化協会会員 
日墺文化協会主催「ウイーンのお菓子教室」講師
高山厚子著書「ウイーン菓子12ヵ月」文芸社
 
日墺文化協会(http://austria.gooside.com/)へはこちらから
 

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