早いもので、11月も、もう終わり。この時期のウィーンは気温もかなり下がり、長く、暗い冬の到来となります。10月の、あの高く清々しい秋の空とはうって変わって、灰色の厚い雲におおわれたウィーンの街を歩いていると、時々メランコリックな気分になってしまいます。
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| ●市庁舎前広場 |
でも、そんなブルーな気分をつかの間でも忘れさせてくれるのが、クリスマス市です。市庁舎前に立ち並ぶクリスマス市を筆頭に、街のそこここに大なり小なりの市が、寒々とした街にローソクを灯すように立ち始めます。
クリスマス市で売っているものは勿論、ツリーに飾るオーナメントが主です。プンシュ(砂糖や香料を入れて暖めたホットワイン)を片手に露店をのぞき歩くと、ほろ酔い気分も手伝ってか、売り上手な店主達たちのお世辞に乗せられてしまうのか、ついつい余計な物まで買ってしまいます。
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左:プンシュを飲む人々 右:にぎわうケルントナー通り
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ここで私は今回ご紹介する、ヘクセンハウスを初めて見ました。このヘクセンハウス、グリム童話の中の「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家なわけですが、まあ、これが実にかわいらしいのです。すっかりこのヘクセンハウスの虜になってしまった私は、ずうずうしくもなんとしてもこれを自分で作りたいと思いました。
そしてクリスマス市を後に脱兎のごとく市電に飛び乗って街に戻り、材料を買い下宿に戻りました。そのレシピを辞書と首っぴきで読み始めると、ヘクセンハウスを作るためにはまず、レープクーヘンという生地を作る、と書いてあります。
・・・・フムフム、まず鍋にバター、蜂蜜、砂糖をいれて木ベラで良く混ぜ合わせながら、よーく煮詰めます。何だか、童話に出てくる魔女と同じですね。今度はこれを良く冷まして・・・と、続きは後に出てくるレシピを見て下さいね。
翌日、いよいよあらかじめ作っておいた型紙に生地を合わせて切り、オーブンで焼く訳ですが、この生地の匂いの強烈なことといったら・・・何しろ、この生地には何種類ものスパイスが入っているため独特な匂いがします。換気扇が無かったので小雪が散らついているのにキッチンの窓を全て開けて、オーバーを着て、震えながら焼いていたのを覚えています。ようやく全て焼き上げて、組み立て終わり、ヘクセンハウスが完成した時の嬉しかったことと言ったら・・・。
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| ●私が当時使ったレシピです。
ヘクセンハウスは工作用紙で初め作ってみて下さい。 |
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そして何気なく窓の外に目をやると、お隣の屋根もうっすらと雪化粧をして、辺り一面は寒々とした冬景色です。それでもヘクセンハウスのおかげで、私の心はうきうきしていました。
ウィーンでは、11月の最後の日曜日から12月24日のクリスマス・イヴまでを、キリストの降誕を待ち望む期間で、「アドベント(待降節)」と言います。この時アドベント・クランツと言う、もみの枝をリング状に編んでローソクを4本立てた物を飾ります。このクランツ(輪)には永遠不滅と言う意味が含まれています。
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| ●アドベントクランツ |
そして、毎週日曜日に1本ずつローソクに灯をともし、クリスマスの季節の訪れを祝い、4本目のローソクに灯がともった時にクリスマスがきます。
今年のクリスマスには何か普段と違う物を作ってみたいと思ってらっしゃるあなた。クリスマスまでにはまだ、ちょっと間がありますので、今年はヘクセンハウスに挑戦してみませんか?パーティーの主役になること請け合いですよ。
えっ、匂いがきついものはちょっと苦手ですって・・・・?
ご安心下さい。香料は減らしてありますので、とても美味しくいただけます。それではフィール・シュパース!(お楽しみに!)
次回、はクリスマスケーキの「シュトレン」を、ご紹介します。
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