〜伊豆シーカヤック編〜
おもしろクラブ「Field-Day」代表
苅野 玲子

 
南伊豆にシーカヤックに行った。時は7月の初旬。梅雨まっさかりだ。

さいわい昼間は海上は多少ガスっているものの、好天にめぐまれ、凪に近い海を漕いでいく。伊豆は日本列島に後からくっついたかたちの半島なので、他の日本の沿岸とは大分違って荒荒しい岩場が続く。イセエビの産地なのも納得である。また、黒潮が近くを通っているので熱帯魚も多い。青い澄んだ水の中を覗くと、コバルトスズメが群れている。ほんだわらの森の奥の岩にはうにが見える。ふと目を上げると、そそりたった断崖にはりつくようにあじさいが咲いている。青いあじさいの間にオレンジのカンゾウの花がちらばる。
海の上と海の下、まったく別の世界の中にまったく同じように美しい自然が息づいている。 シーカヤックだとちょうど空と海の境目に自分が存在することになる。倍得した気分だ。

皆さんも是非目線を変えていろいろなものを見てほしい。自分のいる場所を変えてみるのだ。そうすることによっていままで見えなかったものも見えてくるに違いない。

答えの出なかったことに答えがでるかもしれない。 青い空と青い海のはざまで、風の音を聞き、コバルトスズメとあじさいにかこまれるなんて、なかなか素適だと思いませんか。 またこの季節、伊豆の山の中にはささゆりが咲き、うすいピンクの花が雨をまとい、重たげにくびをたれている。あじさいもいきいきしている。晴れも良し、雨もよし、かな。
 


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