〜 秋山の贈り物 編 〜
おもしろクラブ「Field-Day」代表
苅野 玲子
 

9月の声を聞くと、さあ、これから11月までの間はいそがしいぞと思う。 木の実とキノコのシーズン到来だ。まず9月始め、山では夏のキノコと言われるタマゴタケがでる。これは下草の少ない林の中に真っ赤な顔をのぞかせる。あまりに鮮やかな赤色なので、皆あまり手をつけない。が、りっぱな食用きのこである。たしかにこのテングタケの種類のキノコは皆毒である。このタマゴタケだけ食べられる。洋風には匂いがきつくてあわず、たきこみごはんと、味噌汁にする。なかなかいける。

タマゴタケ
収穫したタマゴタケ

9月もなかごろになると、キウイのそっくりさんのサルナシがとれるし、ヤマブドウも色が濃くなってくる。競争相手をしりぞけてのサルナシとり、ヤマブドウとりが続く。たわわに実ったサルナシやヤマブドウを見つけたときの喜びは格別だ。特にヤマブドウなどまるで果物屋さんにならんでもよさそうな黒光りしたすばらしい房を手にしたときにはジャムにするのはもったいない、このままとっておきたいと思う。なんて美しいのだろう。そして色の変りかけた枯れた葉が風情を増す。その美しさは売っている葡萄なんて目じゃないわって感じである。

サルナシ ヤマブドウ

サルナシとヤマブドウのジャム

味はすっぱさのなかに甘味が混じる程度で、たくさんは食べられない。それに中身は大きな種が実のほとんどを占めているのである。

そういうわけで、ヤマブドウはジャムにするのが野性味あふれていておいしい。サルナシは生でそのまま食べるのがおいしいが、残りはジャムにする。

クリタケ

実ものシリーズが終わりを告げる頃、キノコの本格的なシーズンが始まる。山もたくさんの人が入ってなんとなく騒々しい。湿った落ち葉を踏みしめて、足元を見ながら歩く。目がキノコに慣れていないと見つけるのはなかなかむつかしい。すぐそばにあっても見逃してしまうことが多い。木の切り株の周りに栗色の塊を見つける。クリタケだ。味良し、姿良しのなかなかのすぐれものだ。大きな手付かずの株をはじめてみたが感激した。

見るだけでも感動ものなのに食べれるなんてうれしいことこのうえない。少し行くと、落ち葉の中に転々と紫の輪ができている。ムラサキシメジである。フェアリーリングといって輪になってはえるものだ。これも見つけるときれいなのでうれしい。味はたいした事はないが、ボリュウムがあって食べでがある。あとは、ハナイグチ、ヌメリイグチ、アミタケなどをとり、クリタケご飯、キノコ汁、キノコのおろしあえのほか、すき焼きの具にする。

ムラサキシメジ コガネタケ

アケビ

それにアケビも忘れてはいけない。アケビの実をとって味噌であえた肉詰めをつくり、いただく。ほとんど山で採れたものばかり。 ほろにがいあけびと山の香りのきのこ達、そして野性味あふれるジャムの数々、豊かな山に感謝である。

 

 


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