散歩のついでにカメラでパチリ・・・
(日本写真作家協会会員)
文・写真  舘 重明

1:散歩写真のすすめ
 
趣味でカメラを手にすると、どこかに写真を撮りにでかけなければならないと、思ってしまう。だから富士山に、にわかカメラマンが殺到することになる。
有名な撮影ポイントには、千本、二千本の三脚が立つといわれている。できあがった写真の優劣は、場所取りにかかってくるらしい。世の中には類型的な発想しかできない人がいかに多いかという、よい例である。
まずは「写真を撮りに行く」という概念を、捨ててもらいたい。
日常の散歩などで、目にする自然をよく観察し、その美しさを発見してカメラに収めるようにする。
近くの公園で咲く花も、深山幽谷で見つけた花と同じ輝きがある。それを散歩という日常生活のなかで発見し、美しい写真づくりにチャレンジしてみよう。
降雪後、池の表面に梅の花びらが浮いていた。
  撮影場所・一橋大学構内
 
東京でも年何回かは雪が降る。降雪は絶好の撮影チャンス。降雪が予想されたら、撮影場所を前日までに下見しておこう。都会の雪は消えやすい。
  撮影場所・一橋大学構内
カメラを生活用品のように、つねに身の回りに置き、こころの糸に触れる光景に出会うたびにシャッターを押すこと。いつでも感じた美しさを最大限フィルム面に表現できるようにトレーニングを積むことが、上達の秘訣だ。
 
2:リバーサルフィルムを使おう
フィルムはリバーサルフィルムを使うことを前提に話をすすめる。これは、撮影した内容を適確に見ることができるからである。
ネガフィルムで撮影すると、プリントして写真を見るが、プリント時に色が調整され、撮影したときの状況が正確に再現できない欠点がある。リバーサルフィルムなら、現像したフィルムそのものが作品になる。自分が意図したように撮れているか、失敗したか、一目でわかる。
またリバーサルフィルムは、色の再現性がクリアで発色がよい長所をもっているものの、色や露出にシビアで、成功か失敗かがすぐ判断できる。
勉強になるフィルムである。
デジタル時代になったが、写真の基礎は変わらない。基礎をしっかり勉強するためにも、リバーサルフィルムの使用をおすすめする。
具体的に市販されている商品としては、フジクローム、コダクローム、エクタクロームというように、「クローム」とつくのがリバーサルフィルムで、富士カラーのように「カラー」とつくのがネガカラーである。
 
3:ピントは写真の命
どんなにモチーフがよい写真でも、カメラぶれしたり、対象にピントが合っていない写真はよい作品とはいえない。この写真の命ともいえるピントを確認するにも、リバーサルフィルムの使用が欠かせない。
ライトボックスの上に現像上がりのフィルムをのせ、作品の仕上がりはルーペを使って確認する。(写真・下)
ピントは初心者のときは、この程度でいいと思いがちだが、腕があがるごとにピントにシビアになってくる。自分の腕前を確認するためにもリバーサルフィルムを使い、ライトボックスを使ってルーペでしっかりピントを点検する習慣を身につけよう。
 
リバーサルフィルムは、ライトボックス上でルーペを使って、色とピントを確認する。ネガカラーは、印画紙に焼いて見るため、プリントのできによって、せっかくの傑作を見逃すことがある。

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