与論島通信

与論島の海の宮殿。
文・写真 和田美代子
 
「こんな美しい海が日本にあるなんて」すこし前の流行語なら「ウソー、ウソー」の連発だ。31年前。初めて与論島を訪れて珊瑚の白砂が続く百合が浜に立ち、気持の良い10月の風に吹かれながら、目の前に広がる海に魅せられた。
何色にも彩られた透明感のあるエメラルドに輝く海。島全体を囲んでいる珊瑚のリーフに打ちあたる白波まで美しく思えた。
 

まるで花のような珊瑚礁
 
あの日から約30年の歳月が過ぎ、一昨年の暮れ、夫と赤崎の鍾乳洞を発見した大学時代の友人たちと、再び百合が浜を訪れた。
昔からまったく変わっていない海をグラスボードの上から覗いたとき、「よーし、今度はダイビングで海中を眺めよう」という決意をした。それから私のCカード取得作戦が始まった。まず、どうやって取得したか、体験者に聞いてみた。
3ヵ月プールに通ってコーチを受けた人。土日を利用して伊豆で取った人。グアムが簡単という人。インストラクター個人からレッスンを受け短時間で取得した人など、さまざまだった。私が選んだのは、東京で1日学科を受け、あとは沖縄のプールで練習するスタイル。つまり海洋実習だけでCカードが取れるので、気の短い私にはピッタリ。
ところがそう甘いものではなかった。東京のダイビング教室でスクーバを2度体験。私は自信満々で沖縄に向った。きついウエットスーツ、締めつけるシュノーケル、沖縄のインストラクターの厳しい言葉に身体がびっくり。脚の着くプールなのに、ちょこっと沈んで水面を10分くらい見ただけでリタイア。インストラクターからは「もう一度がんばって」と激励されたが、その声を背に私はウエットスーツを脱いでしまった。
 

宮殿のハート型の窓
 
その後、一年間に何度か与論島を訪れる機会があり、2回の体験ダイビングで恐怖心がとれ、やっと3ヵ月前 Cカードに挑戦した。
インストラクターは20才の男性。こんな子供がなどと思ったが、なかなかの指導力で、マゴマゴしている私に適切なアドバイスをしてくれた。そのとき運悪く、何十年ぶりという12月の台風が与論島を通過。海面は最悪の状態。私は何度も海水を飲みながらダイビングの練習を重ねた。がんばった成果は4日目の午後に表れた。海底で、インストラクターが「おめでとう、Cカード合格です!」と書いた白いボードを掲げていた。涙ぐむほど嬉しかった。思わず海底で「ヤッター」と叫び、インストラクターと握手した。台風にもかかわらず、海は透明で珊瑚の周辺を泳ぐ魚が白砂にクッキリ見えた。
それから3ヵ月。今度はアドバンスに挑戦している。いまはまだまだだが、もっとスクーバの技術が向上し、地上と同じように活動できる日が来るのを夢見て、私の与論島通いはこれからも続くだろう。
 

宮殿の真下での記念写真
 
 
  お問い合せは 
  ヨロン島観光協会 TEL:0997-97-5151

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