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キッチン・スケール
文・写真  野呂珍平

数多い調理用品のなかで、使用時間がもっとも少ないのがキッチン・スケールである。我が家にも、キッチン・スケールはあるが、ほとんど使っていない。たまにフランス料理やイタリア料理を作るとき、パン粉や小麦粉の量を測ったりする。でもキッチン・スケールがないと、新しい料理に挑戦するとき、不便である。
最近のクッキングブックは、材料がグラム単位で表示されているから、小麦粉二十グラムと書かれていてもわからない。こんなときキッチン・スケールがあると便利だ。スケールの台に材料を載せるだけで、量が測定できる。

でも測定するのは、わずか一分くらい。あとは、台所の片隅に置かれたままである。
それに比べ、フライパンや鍋は、活動時間も長く、よく働く。朝、昼、夕方と、つねに活躍している。鋳物の鍋でブイヤベースやシチューを作るときなど、ニ、三時間は働いてくれる。働くことに関しては、鍋やフライパンはエライがキッチン・スケールはエラクない。


1960年代日本製キッチン・スケール

フルーツが描かれているキッチン・スケール


でもキッチン・スケールは、労働時間は少ないが台所のなかで不思議な存在感がある。他人の家に、食事に招かれたとき、台所にオシャレなキッチン・スケールがあると、その家の主婦が料理に精通しているように思える。ということは、キッチン・スケールは、測ると言う機能より、見せるという美的センスやデザイン性が重要かも知れない。

近頃のインテリア雑誌で、「キッチン拝見」などの特集ページがあるが。結構キッチン・スケールにこだわりをもった人が多いことに気がつく。いつがったか、赤のオーソドックスな形をしたキッチン・スケールを雑誌で発見。
僕も欲しくなって、デパートや雑貨屋を探したが見つからなかった。すでに、いくつかキッチン・スケールを持っているのに、僕の欲しがりクセは、なかなか解消されない。困ったものだ・・・。


1950年代イギリス製ソルター社のキッチン・スケール

コンパクトなキッチン・スケール

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