とりどりの実をたわわに付けた樹が、植木屋さんにならぶ季節が来ました。
深まりゆく秋。さあ、一緒に小鳥たちと楽しむ庭造りを考えてみましょう。
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ささやかな食卓
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冬の終わりの雨でやわらかくなったエンジュの実をついばみに来たムクドリ。
秋の実りは、翌春までの大切な命綱だったりする。街路樹の梢に残された、わずかな実も彼らには大切な食料源だ。頻繁な剪定をひかえるだけでも、生物たちにとっての都市環境は大きく改善されるはず。
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■そうだ、木を植えよう!
鳥にとって木は、食事の場所であり、隠れ家や休憩所、繁殖の場や棲み家にもなる大切なもの。特に食料源としての木の役割はとても重要です。花や蜜を食べることもありますが、なんといっても実のなる木が一番人気。実を食べるといっても、果
肉だけを食べて、種を排出する場合もあれば、種子が好物という場合もあります。いずれにしても実のなる木を植えることが、小鳥を呼び寄せる第一歩と考えましょう。
でもね、せっかく植えるんだったら、小鳥たちだけが喜ぶんじゃなくって、僕たちも楽しめる樹の方が良いよね。さて、じゃあどんな樹がいいんでしょう?
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■花も実もある楽しい生活
まずはお勧めの欲張りな樹から。
花が綺麗で、実も美味しくって、紅葉も楽しめる植物。しかも、和洋を問わずどんな庭に植えてもシンボルツリーとしてぴったりおさまる。最近では爽やかな斑入りの品種も紹介されています。
そんな欲張りな樹はヤマボウシ。紅葉の写真がないのはちょっと残念。
秋口には赤く熟れた実が楽しめる。イチジクに似た上品な味わいは、そのままでもジャムにしても美味しい。山では、熊やシカやサルたちの食料源としても貴重だ。
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初夏に咲くヤマボウシの花→
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| アメリカハナミズキの花が終わってから咲くので、春の木の花が一段落してから夏の花までのつなぎになる。
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■紅葉は目立たないけれど、花も実も楽しめるもの
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なじみの深い、モモやウメ、ユスラウメなんて言うのは言うまでもなく、ヒメリンゴ、アンズ、カリン、ザクロ、フェイジョアなんて言うのはいかがでしょう。特にフェイジョアは常緑性で、葉の裏が白くてお洒落な樹。日当たりの良い庭にお勧めです。そのほか、最近では暑さに強い暖地型のサクランボもおすすめです。
ちょっと地味だけど、良い香りの花をつけるものとしては、キンカンやウンシュウミカン、ユズなんて言うのもどうでしょう?
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←アルプス乙女
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| クリスマスの飾りにも楽しいヒメリンゴは、甘酸っぱくて美味しい上に丈夫で手間がかからない。春先のカイドウのような花もなかなか素敵。
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■何と言っても実が美味しいもの。
| ベランダでも楽しめるものとしては最近人気のブルーベリーやフサスグリ、ブラックベリー、ラズベリー、葉っぱもかわいい斑入りナワシログミやオリーブあたりがお勧め。フサスグリは暑さを嫌うので、むしろ日当たりの悪い場所の方がよく育ちます。注意を要するものとして、オリーブは必ず実の付いている雌の木を買ってくること。安いのはたいてい雄株です。もちろん、両方植えれば収穫量は、ぐんと上がります。
庭に植えるのなら、キウイフルーツやブドウ、アケビ、常緑性のムベなどもお勧め。トレリスなどに絡ませて西日を遮ると、冷暖房費が最高10%も削減できるという報告も。
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エキゾチックな演出にも使えるムベ→
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アケビと違って常緑性で、実は熟しても割れないので衛生的。上品な甘さは、ギュウヒのお菓子のようになめらかな舌触り。皮は酒の肴として高級料理に。
そんなわけで、かつてはやんごとなき方々への献上品だったとか。
春に咲く白い花も、不思議に異国的。 |
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■かわいい実のなる樹たち
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人間は食べないけど、小鳥たちは大好きな実をつける樹もいっぱいあります。
センリョウやマンリョウ、ヤブコウジはお正月の定番ですが、庭を彩る実はホントに様々。赤い実ならガマズミ、カンボク、オトコヨウゾメ、ゴンズイ、カマツカ、コトネアスター、クロガネモチ、セイヨウヒイラギ、ソヨゴ、マユミ、ナンテン、ピラカンサ。きりがないのでこの辺で。
他には紫色の実がかわいいムラサキシキブ。オレンジ色のクチナシやツルウメモドキ、それからなんとカポック!太平洋側なら関東地方まで軒下などの路地上で平気です。黒い実ではドライにしてリースにも使えるシャリンバイ、煎じて飲むと白髪の減るネズミモチなんていうのもあります。
とっておきはメタリックブルーの実がなるガマズミの仲間のチュニス。はじめは切り花として市場に出回りましたが、このごろは苗木も手に入ります。
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なんとメタリックブルーの実がなるチュニス
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| 日本に紹介されてまだ日が浅いので、庭に植えても小鳥たちが食べてくれるか心配でしたが、結構人気がありました。野鳥って意外にチャレンジャーなんですねぇ。花もなかなかかわいいんで、おすすめです。
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| ■ビオトープガーデンは美味しい! |
そう、こうやって考えてみると、自然保護って美味しいじゃないですか。 花も綺麗、食卓も楽しい、子供たちと小鳥や虫の話題で盛り上がる。これで自然保護教育は万全ですよね。しかも冷暖房費まで助かっちゃう!
今更、ただ美しいだけの庭なんてとお考えのあなた。さあ、あなたなら、何を植えますか?
なんて、たたみかけてみたけれど、皆さんどう思われますか?(^^;
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| ■小鳥たちのプレゼント |
何年か前、庭に置きっぱなしにしてあったプランターからキウイフルーツの芽が伸びてきたことがありました。そう、鳥の糞から芽生えたものだったんです。もちろん、大事に育ててます。その他にも、花屋さんではなかなか手に入らない珍しい木の芽が、時々顔を出します。
そんな植物たちの中からお気に入りを選んで育ててみるのも楽しいもの。中には海岸の絶壁にしか生えないものや、山岳地帯からはるばる運ばれてきたとしか思えない植物たちも混じっていたりします。そんな植物を庭の片隅に発見すると、都心に近い住宅地に住んでいても、全く自然から切り離されてるわけじゃないんだなあって、不思議な気分になってきます。そう、自然って、いつでも回復しようっていう力を秘めているんですよね。だから、僕たちは日々の暮らしの中で、ちょっとしたことで手助けしてあげるだけでも良いのかも知れません。
さあ、自然保護するんだ!なんて肩肘張っても、長続きしないんじゃあ意味がない。なにげない日々の生活の中で穏やかに自然と向き合える暮らし、そんな姿勢こそが大切かも知れませんね。
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プロフィール
いずみ けんじ
泉 健司 |
ビオトープ・ガーデン提唱者、植物生態コンサルタント、 自然造形作家
1954年愛知県豊橋市に生まれる。
東京農業大学農学科副手を勤めた後、環境アセスメント をはじめとした各種植生調査、フロラ調査の仕事に従事。 ビオトープ・ガーデンを提唱し、TVを初め様々なメディ
アで紹介されている。またフラワーアレンジメントや自然造形物を素材としたクラフト、コンピューターグラフ ィクス、環境音楽の制作など、多岐にわたる活動を行っ
ている。
教育活動にも力 を入れており、東京バイオテクノロジー専門学校や東京医薬専門学校の非常勤講師も勤める。
農学修士。マミフラワーデザインスクール登録講師。 |
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