ぽけ・び ビオトープ・ガーデンの楽しみ
〜 巣箱をかける 〜
巣箱を利用する鳥や、巣箱の掛け方などを紹介します。
写真・文 森の人 泉 健司

冬場の野鳥保護と言えば、巣箱と餌台と言うのが一般的、でもそれだけで良いんでしょうか?
何か忘れているような気もします。美しい紅葉の季節もそろそろ終盤。身近な生き物たちにしてあげられること、寒くなる前にちょっと工夫してあげましょう。
こんな可愛い巣箱組み立てキットもあります。もし鳥が使ってくれなくても、素敵なエクステリアに.....。
巣箱協力 フィールドファイン

世界でも珍しい巣箱の専門店です。僕の個展を見に来たのがきっかけで、ホントにお店を始めちゃいました。すごい!

http://www3.tky.3web.ne.jp/~hld/gd020f.html

コゲラが公園のコナラの樹皮に潜む虫を探している。
スズメぐらいの大きさのキツツキの仲間。自分で枯れ木に穴を空けて巣を作るけれど、巣箱も利用してくれる。最近では町中でもよく見かけるようになった。

■樹洞をなくした鳥たちに 〜鳥の巣箱 〜

1 どんな小鳥が来るのでしょう?

日本では、巣箱を利用する鳥は10種類ほど知られていますが、もともとは木のほら穴や石垣のすき間などの中に巣を作る野鳥たちなのです。

自然の少ない町中では、巣箱はけっこう素敵なすみかで、おもにシジュウカラやヤマガラ、キセキレイ、ムクドリ、スズメたちが愛用しています。

シイの木は元々樹洞が出来やすい。
鳥の巣穴には最適だが、大きな木のある庭を維持できる家が減ってきたので、小鳥たちにも住宅難が。

 

 

 

木の穴に巣造りする都会の鳥たちは、こういう手ごろな穴のあいた古木がもともと少なかったので、瓦の隙間などに巣を造っていたのですが、マンションや洋風建築が増えたおかげで、それも困難になってきました。

つまり、住宅難で困っているというわけです。その上営巣場所の減少が巣をめぐる争いにまで発展して、小鳥たちの世界も大変です。そこで人間がお手伝いをするというわけです。




2 どんな巣箱がいいのかな?


巣箱は、巣穴の大きさによって、利用する鳥が違ってきます。例えばシジュウカラの場合は2.8センチ以上で2.9センチ未満。これ以上にすると、スズメが侵入してシジュウカラを追い出すことがあるためです。このサイズであれば他にヒガラ、コガラなども利用します。スズメ用の巣箱は別 に用意してあげましょう。

材質は杉板などで、かんなをかけていない通 気性のいい板がベスト。特に屋根は小鳥が始めにとまる所なので、ざらざらのままに。 シーズンオフに巣箱を掃除するための扉も忘れないで。

右下の巣箱はカラス対策に入り口の周りを鉄板で補強したもの。
巣穴から下は15cmぐらいないとカラスに雛をさらわれてしまいます。



3 どこに巣箱をかけようか?

「猫が登れないように、軒下や、枝などの足掛りがない1.5m以上の高さの木に取り付けます。」なんて、色んな本に書いてあるけど、やっぱり高めの方が安心。野鳥たちの様子を見ていると3〜5mは欲しいところです。人通りの多いところでは少し高めに取り付けましょう。

マンションの軒下でも壁側に実のなる木などと共に設置すれば大丈夫です。都会の鳥は人間をカラスよけのガードマンに利用することが多く、商店街の街路樹などにさえ巣を掛けることも多くなっています。目隠し用の樹木の鉢植えなどを置いておけばかなりの率で巣を作ってくれたり巣箱を利用してくれるようです。

薄暗く風通しの悪い湿った場所は、できる限りさけること。ゴキブリの巣になってしまいます。 シュロヒモなどで固定すると、木をいためません。

雨水が入らないようにやや前に倒して、家の中から観察しやすい向きにつければ、子育ての様子も見られます。

4 いつが良いのかな?

巣箱をかける時期はいつでもかまわないのですが、巣を作る直前では警戒して使ってくれません。3月から6月にかけて子育てをする鳥が多いので、秋口から春先(10月〜3月)にかけてあげるのがよいでしょう。つまり、今がチャンスな訳です。

5 小鳥たちが巣箱に来たらどうすればいいの?

  小鳥たちが巣箱に来たら 嬉しいからといって、うっかり近付いてはいけません。小鳥が恐がってどこかに行ってしまいます。気がつかないふりをして、お部屋の中からそっと見守ってあげましょう。

6 巣箱をかけるとき、中には何か入れるの?

いいえ、何にも入れません。巣の材料は小鳥たちが自分で気に入ったものを運んで 作ります。「巣箱は素箱 」と言っている人もいるくらいです。

時々巣箱の中に餌や水を入れてしまう人が居ますが、これは厳禁。お食事の場所と繁殖の場所はあくまでも別なんです。

7 手入れはした方がいいの?

10月には巣箱を降ろして古い巣を捨てて、おそうじしましょう。でも、そのままにしておけば、ヤモリが冬越ししたり、コマルハナバチが春に巣を作ったりするんだって。 それも楽しいかもしれません。


巣箱を利用しない鳥だっている
〜庭木にも工夫を〜

メジロやカワラヒワ、オナガ、キジバト、ヒヨドリそれにカラス。これらの鳥たちは巣箱を利用せず、自分たちで木の枝のあいだに巣を作ります。

写真のように三つ又になった枝を利用して巣をかけることが多いので、庭木の剪定をするときもなるべく脇枝が沢山出るように、太めの枝の先をつめたりするなどの工夫しましょう。それと、少なくとも繁殖期に当たる3〜6月は庭木の剪定をしない事も、大切な思いやりかな。

スーパー前の低い街路樹に作られたヒヨドリの巣。

都会の野鳥は人間をカラスよけのガードマンに利用することが多く、わざと人通 りの多いところを選ぶようになったんだとか。ここも僅か2.5m足らずの位置でしたね。ビニル袋や新聞紙なども使った苦肉の策。でも、内側はふかふかでした。さすが。

庭が無くても、ベランダの場合ちょっとした目隠し用に何本かの植木をコンテナに植えておくだけでも、巣を作りに来てくれたという報告も結構あります。渋谷駅のすぐそばにある友人の会社のベランダでも、置きっぱなしになっていた植木の、部屋側からは丸見えの位 置にヒヨドリが巣を作り、巣立ちまで無事に観察したそうです。

野鳥が巣を作ったからと言って、大騒ぎしたりしないのが一番の自然保護と言うわけですよね。(^^;

「月の庭」のムーンさんからいただいたキジバトの卵の画像です。
庭先の3mぐらいのゴールドクレストの真ん中あたりに巣を作ったそうです。
〜巣材をプレゼントしよう〜

烏から雛を守るためとはいえ、町中での巣作りは、野鳥にとっては材料集め一つにしてもかなりの難問なようです。そこで、ささやかなお手伝い。

庭先やベランダの隅に、毛糸くずを2〜3cmに切った物や犬猫のブラッシングの時に出た毛の塊などを、椎茸やミカンを入れるネットに詰め込んでぶら下げておきましょう。

日陰の庭のある人は、栽培が簡単で美しいクラマゴケ(特に美しいコンテリクラマゴケはレインボウファーンという名前で売られてたりします。)がお勧め。きっと、メジロやシジュウカラたちが、巣の中をふかふかにするために集めにやってくるでしょう。


〜落ち葉を大切に〜

秋は限りなく降り積もる落ち葉に、庭掃除も大変、と言うより際限がありませんよね。ムキになって腰を痛めてもばからしいので、いっそのこと今年からは落ち葉の積もった美しさを庭に取り入れてみませんか?

なんて、突然言われても困ってしまうでしょうから、一つご提案。

庭の片隅に落ち葉を貯めておく場所を造りませんか?落ち葉は腐葉土として再利用できるだけでなく、様々な生き物たちの冬越しの場所にもなります。

さらに、そこに隠れている虫たちを目当てにジョウビタキやムクドリたちもやってくるようになるかも知れません。暖かな腐葉土の中には、コガネムシや、ひょっとするとカブトムシの幼虫も見つかるかも(今年、新宿御苑の落ち葉の中からカブトムシの幼虫を見つけたときは、ホントにびっくりしました)。

お子さんやお孫さんと、春の庭で昆虫探しの冒険を楽しめるように、今から準備してはいかがでしょうか?

泉 健司氏のホームページ「私のポケットビオトープ」
http://www.biotope-garden.com/
もご覧下さい。

プロフィール

いずみ けんじ
泉   健司
ビオトープ・ガーデン提唱者、植物生態コンサルタント、 自然造形作家 1954年愛知県豊橋市に生まれる。
東京農業大学農学科副手を勤めた後、環境アセスメント をはじめとした各種植生調査、フロラ調査の仕事に従事。 ビオトープ・ガーデンを提唱し、TVを初め様々なメディ アで紹介されている。またフラワーアレンジメントや自然造形物を素材としたクラフト、コンピューターグラフ ィクス、環境音楽の制作など、多岐にわたる活動を行っ ている。
教育活動にも力 を入れており、東京バイオテクノロジー専門学校や東京医薬専門学校の非常勤講師も勤める。
農学修士。マミフラワーデザインスクール登録講師。


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