たらおばさんのハーブよもやま話 Vol.3
〜ガーデニングの素材としても素敵なエキナセアのパワーって〜
埼玉県・たらおばさん
プランツコーデネーター


学名 Echinacea angustifoliaまたはpurpurea
別名 ムラサキバレンギク、オオハンゴウソウ、コーンフラワー、エキナケアなど。
キク科ムラサキバレンギク属
北アメリカ原産。
 
最近話題のハーブ「エキナセア」。インフルエンザや抗がん剤としての役割も発見されている貴重な自然療法薬です。

薬としても有効な植物ですが、ガーデニングの素材としても美しい大きな花が印象的に利用できます。多年草で生育旺盛、病害虫にもかかりにくいので庭のポイントにも、コンテナの脇役としても活躍できそうです。 自身で栽培したエキナセアを収穫して、風邪薬やチンキ剤にして使ってみませんか?

エキナセアといえばアメリカインディアンの民間療法で利用されていたことで有名です。薬などが高価だった時代に、ガラガラヘビに噛まれたときの傷口に、天然痘やインフルエンザなどのウィルス性疾患にもかなりの効果をあげていたようです。

エキナセアには9種類の仲間があります
Echinacea purpurea (エキナセア プルプレア)
Echinacea angustifolia (エキナセア アングスティフォリア)
Echinacea pallida (エキナセア パリダ)
Echinacea tenneseensis (エキナセア テネセエーンシス)
Echinacea lavigata (エキナセア ラビィガータ)
Echinacea paradoxa (エキナセア パラドクサ)
Echinacea simulata (エキナセア シムラータ)
Echinacea sanguinea (エキナセア サングイネア)
Echinacea atrorubens (エキナセア アトロルベーンス)

ただし、治療薬として有効で多く利用されているのは「angustifolia 」
「 purpurea」 「pallida」の3種類です。学名にはそれぞれ意味がありますが、Angustifoliaには「幅の広い葉を持つ」という意味。Purpureaには「紫色の」という意味があります。

「 purpurea」「pallida」は茎と根を利用しますが、「angustifolia」は全草を利用することができ、特に抗がん作用に効果があるとされています。

ちなみにエキナセアという意味はギリシャ語の「はりねずみ」。これはつぼみのときに苞葉がとがっていていることからきているのだそうです。

同じキク科でルドベキアという黄色い花によく似ています。これは近縁種で
花の色が黄色のものをルドベキア属、紫色のものをエキナセア属と分けているようです。 混合することも考えられているようですが、植物の世界には関係の無い事柄かもしれませんね。
エキナセアティー
エキナセアのハーブティーとしての薬効はインフルエンザなど抗ウィルスやアレルギーに対して有効。体の抵抗力を高めて免疫力をアップさせます。抗菌作用により下痢の症状緩和にも効果的です。最も優れている点は副作用の無いこと(今まで発表されていません)。体質改善に利用するとよいハーブです。

ドライハーブ状態のエキナセア
エキナセアをお茶として飲むなら強い香りのあるハーブなどと合わせるとよいでしょう。エキナセア自体は味がほとんどなく、ほのかな草の香りがします。これといった特徴が無いのでその薬効を生かすのみ方が出来るのも特徴でしょう。シングルで飲む方も多いようですよ。

おすすめハーブティー
1. インフルエンザや風邪が流行しているとき
  エキナセアにローズヒップのビタミンC をプラスする
2. 熱があるときに
  エキナセア、エルダーフラワー、リンデンフラワーのブレンド
3. 風邪が抜ききらないときには
  エキナセア、セージ、レモングラスのブレンド
これらのハーブティーは少し濃い目に入れて化粧水にします。吹き出物が出来たときに使います。また優れた抗菌作用でうがい薬としても利用できるので、歯肉炎の予防にいかがでしょう。


エキナセアのハーバルケア
にきびやぶつぶつの皮膚症状に効果的なパックの作り方
・エキナセア 1つまみ(1つまみは親指、薬指、中指でつまんだ分量)
・タイム 1つまみ
・リンデンフラワー 3つまみ

以上のハーブをミルなどで粉末にして熱湯少量でゲル状にします。リンデンが入っているのですぐに粘りが出るでしょう。症状が出ている部分によくのばして10分置きます。そのあと顔を洗い流します。リンデン化粧水などで潤いを与えておきましょう。
吹き出物が多い肌にエキナセアの湿布を
・エキナセア 1つまみ
・タイム 1つまみ
・ヤロー 1つまみ
・マリーゴールド(カレンデュラ) 1つまみ
・エリカ(ヒース) 1つまみ
・ジュニパー 1つまみ

以上のハーブを熱湯で煮だし、濃いハーブティーを作ります。茶漉しなどで漉してから人肌に冷まします。冷めたらコットンに浸して軽く絞り、軽くたたいて湿らせます。これを繰り返して10分以上置きます。
殺菌効果の多いハーブですからにきび肌のような症状に効果的に用いましょう。
夏に利用するエキナセア
水虫には
エキナセアのハーブティーを濃い目にいれて、患部を毎日浸しましょう。
夏ばてや夏風邪予防に
エキナセアにタイムを少し混ぜて、紅茶とブレンドします。
紅茶の渋み成分タンニンは抗菌力とともに消化器の粘膜炎症を抑える効果があります。また軽い吐き気をとなうときはペパーミントを、お腹の状態がよくないときにはジャーマンカモミールをブレンドするとよいでしょう。

自然療法を行うときには必ず少量で試してみること。その人自身の体質や体調に大きく関係がありますので、すべての人に効果的でないこともあります。皮膚につけるときには腕の内側などでバッチテストをしてアレルギーが無いことを確かめます。エキナセアはキク科の植物ですので効くかアレルギーをお持ちの方には利用できません。
 


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