たらおばさんのハーブよもやま話 Vol.3
埼玉県・たらおばさん
プランツコーデネーター


サトイモ畑
私が住むさいたま市は都心に近い割には自然が多く残る場所です。家の近所には大昔、沼であったと思われる保存緑地があります。私はそこで畑を作っていますが、今でも土の入れ替えで深く耕すと遺跡が出てきます。くぼ地になっているので冬には温度差が2,3度ありますし、湧き水が豊富です。もちろんそのような場所ですので、野草もたくさん生えていますので、秋の香りをちょっとおすそ分けしてもらいます。

また少し離れた場所には「見沼田んぼ」があります。広大な田んぼと二次自然林が広がり、都会のオアシスとなっています。時間ができると私はそこで四季を楽しみにいきます。自然の楽しみの一つに何気ない野草の味覚があります。

ずはユキノシタ。庭で栽培されている方も多いと思いますが、野原で見つけるユキノシタの秋は、ほかの植物が冬支度をしている中でいつまでも青くしっかり立ち上がっています。古くから火傷や凍傷などの傷薬として利用されていました。またはあの葉を絞り緑色の絞り汁を百日咳の治療薬として使われたこともあったようです。このように民間薬としても活躍していた植物ですので、料理の方法もいろいろ語り継がれています。野草の料理といえばてんぷらがありますが、ユキノシタの表面についている硬い毛が口当たりに悪いので、てんぷらの衣も裏面だけつけてあげるのです。これはシンプルですが非常においしいものです。または春先の若芽の頃に摘んで、長めにゆでて水にさらしておひたしや和え物にします。塩漬けの漬物にもできるようです。

それからオランダガラシというとなじみが薄いのですが、クレソンというと素性がはっきりしますね。あの八百屋で売っている肉の毒消しに使う野菜です。日本でも結構自生しているようで養殖のものに比べると味が濃厚で辛味が冴えています。生育が旺盛で摘んでからしばらく水の中にほったらかしにしていても根を生やしてしばらく生きています。ですから強壮剤として使われたり、髪の毛のリンス剤になったり、活躍の場が多い植物です。

料理の方法ですが肉の付け合せに食べると体をアルカリに戻してくれるという効果があります。生だとサンドウィッチでもいけます。洋風の料理には良く出てきますが和風の煮つけなどにも良く合います。


それから一年中収穫できるタネツケバナ。名前は知らなくてもこの植物を見たことがない人はいないのではないかと思われるほど全国どこにでもあります。
ゆでると辛味がありますので辛し和えの具にしたり、一夜漬けになったりします。この植物はアブラナ科ですが、同じ種類のものではイヌガラシ、スカシタゴボウなど同じような食べ方ができます。

それからつる性でハートの葉に茶色い実がついている雑草を見かけかたことはありませんか?地面に這ったり、垣根についていたりします。これはヤマノイモの肉芽でむかご。ヤマノイモを栽培していなくてもこの植物は出てきます。強壮剤にできるほどですから生育旺盛、強いのでしょう。
むかごを蒸すとお芋のような食感と味わいがあります。ご飯と一緒に炊いたり塩湯でにして食べます。塩茹でにしておけば揚げたり、煮付けたりできます。生でも食べることができるので2,3粒ついていたら口の中へほおりこみましょう。懐かしい土の香りとねばねば感がします。

山に行かなくても充分楽しめる野草の楽しみ。ご一緒に!!


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