狭い庭やマンションのバルコニーでもガーデニングが楽しめます
 
建築家 野口信彦


家の内部と外部の接点に位置する中間領域に、テラス、バルコニー、縁側、サンルームなどがあげられます。
いままで内でも外でもないこれらのあいまいな空間は、あまり利用されませんでしたが、内部空間と外部空間を融合させることで、広がりの感じられる、魅力のある空間になります。

 
(図1)


一般的な日本の戸建住宅は、10坪前後の庭に隣接してテラスがあり、道路や隣家との間に植栽をし、残った空間を芝生などのオープンスペースにしているところが多いようです。
このオープンスペースは、小さい子どものいる家庭では、遊び場として使われていますが、それ以外は有効に活用されていません。このスペースを快適な空間にするためには、ウッドデッキのテラスをつくることをおすすめします。
通常のテラスといっている奥行きは90cm程度で、建物の前面に張りだしたコンクリートや石、レンガを敷きつめた床で、最近の住宅によくみられます。ところがこのテラス、あまり目的もないままつくられたために、ほとんど使われていないのが現状です。テラスをリビングルームやキッチンの延長として考え、さらにガーデニングを楽しむスペースにするには、最低でも奥行き180cmは必要です。 (図1)


テラスを設計するにあたっては、素材を木材にして、床の高さを建物内部のリビングルームなどの床と同じ高さにするのが重要です。これにより内部空間との連続性も高まり、ガーデンリビングとして接客、食事、ガーデニングなど多目的な用途に使えます。ウッドデッキのテラスの場合は、床に部分的な開口部を設ければ、すでに植栽されている庭木などを活かしてつくることができ、より自然と一体感のあるテラスになります。(図2、3)
(図2)   (図3)

    (図4)
道路や隣家から近いテラスで、人の視線が気になるこきは、トレリスを設置し目線の高さにハンギングなどにして、開放感を損なわない程度に植栽します。(図4)  

このテラスに緑空間を増やしたいときは、パーゴラを設けて、つる性植物を絡め木の葉の影がテラスに落ちるようにして、(図5)陽射しを遮りたい場合には、既成の可動式テントを設置したり、(図6)のように、木製の柱を立てて建物との間に布を張れば、低予算で快適なガーデンリビングが実現します。
ただしウッドデッキは腐りやすいので、こまめなメンテナンスが必要です。 檜やチークのように、樹種のなかには腐りにくいものもありますが、いずれの場合も防腐加工を施すか、防腐塗料を塗らなければ長持ちしません。できれば2年に1回の塗装をお忘れなく。またデッキの下の空間は、風通しが良くなるようにし、湿気がたまらないように水はけをよくすることが大切です。
(図5)   (図6)
 

 
(図7)
一般のマンションのバルコニーは、奥行き90cm〜120cmと決して広くはありませんが、近頃のマンションには奥行き2m、間口10mと広々としたサイズも販売されています。
これだけの広さがあると、パリやニューヨークのアパルトマンのようにバルコニーで食事もできます。でも基本的にマンションのバルコニーは共有部分ですから、土を運んで芝生にしたり、勝手に改修工事をすることはできません。そこで部屋の内部がフローリングであれば、バルコニーの床をフローリングと高さを合わせ、同じ色のウッドデッキにすれば、住まいが一体化して広く感じます。避難経路の扉には取り外しの簡単なトレリスを設置すると雰囲気がよくなります。
バルコニーのガーデニングは建築法からもコンテナガーデンしかできませんが、狭いバルコニーにところ狭しとポットを並べるよりも、床面を残して(図7) のように、部分的にグレーチングなどを用いて鉢を飾れば、立体的に有効に緑化できます。また、バルコニーの外の景色がよくない場合は、ブラインドで視線を限定させると、インテリアとガーデンとの簡潔した景観をつくることができます。


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