〜オランダのクリスマス〜 |
取材・文 岩井 京子 |
クリスマスが近づくと、オランダの街は至る所にイルミネーションを美しく飾り付け、冬の寒く長い夜を心うきうきする時間に変えてしまいます。商店街の主だった通りはどこもきれいにライトアップされ、店内や人が集まりそうなスペースはそれぞれ意匠を凝らした飾り付けが施されます。
街路樹や庭木等、豆電球を飾れそうな所にはくまなく蛍のように明かりがともります。各家庭も、隣の家に負けじとばかりに、工夫した飾り付けで、窓辺を飾ります。オリボレンと呼ぶ、揚げ菓子専門のスタンドが街のあちこちに開店し、人々はちょっと立ち寄っては、粉砂糖をたっぷりまぶしたこぶし大のオリボレンをほおばります。
今回は、オランダ人マスターフローリストが開いているダッチスタイルのフラワーアレンジメント教室を覗いてみました。クリスマス用のアレンジメント2種類を先生がお手本としてアレンジし、生徒さん達が用意された材料を使って素晴らしい作品を仕上げていきます。窓辺にはアレンジをあしらったキャンドルが並び、手作りの暖かさが伝わってきます。
アレンジの素材には、木の実や枯れ枝がお決まりのマツ・モミなどと一緒にたくさん使われています。 それも土地柄から不思議はないのですが。なぜなら、郊外の森を散歩すると、枯れ葉に混ざって数え切れないほどたくさんの大小いろいろな木の実が落ちています。植え込みや生け垣に使われている木にはこれまた、赤や紫、黄色にピンクなど色とりどりの実をつけた枝を見かけるのです。 |
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ところで、オランダにはサンタさんが2回やってきます。最初は12月5日のシント・ニコラス(聖ニコラス)の日に子供達にプレゼントを配るシンタ・クラース。 2度目は一般的な12月25日のクリスマスの日です。シンタ・クラースは毎年11月の第3日曜日に、船に乗ってスペインからやってくることになっており、この日はアムステルダム港に大勢の子供達や観光客が集まって、ピートと呼ぶ黒人のお供を何人も引き連れたシンタ・クラースの到着を出迎えます。 こちらは真っ白なひげこそサンタ・クロースと同じですが、後はどこかの国の偉い王様か司教様のような出で立ちです。 サンタ・クロースは万国共通、やはりトナカイに乗ってやってくるようですが、屋根に登るのも慣れたもの。こんな風にして上ります。
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