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霞の奥 |
京成線堀切菖蒲園駅から歩いて10分ほど、荒川に近い場所にあります。この辺りは昔から湿地が多く、江戸時代から明治時代にかけて多くの菖蒲園が開園しました。全国から色々な品種が集められて江戸の人々の初夏の行楽名所となり、歌川豊国の堀切菖蒲花盛図や安藤広重の名所江戸百景など多くの錦絵に描かれています。
その後多くの菖蒲園は閉園されてしまいましたが、「堀切園」だけが昭和35年から東京都立堀切菖蒲園として再開されて公開され、その後葛飾区の管理する公園となりました。
「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉があるように、「アヤメ」「カキツバタ」「ハナショウブ」「アイリス」・・・これらはどれも同じような花に見えますよね。私もずっとこれらは同じ植物なのか別のものなのか疑問に思っていました。
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大紫 |
これらは同じアヤメ科アヤメ属の近縁植物ですが、古くから名前が混同されて来たようです。そもそも日本に自生していたハナショウブの原種もアヤメと呼ばれており、品種改良された園芸種もアヤメと呼ばれたりハナショウブと呼ばれたり・・・さらに、五月の端午の節句で行われる菖蒲湯のショウブはハナショウブとはまったく別の植物(サトイモ科ショウブ属)なのだそうです。堀切菖蒲園の園内の看板にこれらのことや見分け方が書かれていて、今回初めて知りました。
「アヤメ」「カキツバタ」「ハナショウブ」の見分けるポイントは花の付け根の模様と葉の筋や色で、次の表の通りです。また「アイリス」というのはアヤメ科アヤメ属の学名「Iris」のことで、主に外国産のものをそう呼んでいるようです。
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